- ビジネスで使われるペルソナって何?
- ターゲットとの違いがよく分からない…
- 心に刺さるキーワードセンスを磨きたい
マーケティングを勉強してみたり、新規プロジェクトが立ち上がったりすると、必ずと言っていいほど出てくる『ペルソナ』。
なんとなく理解しているつもりだけど、説明しろって言われたらできないし、かといって今更人には聞けない…ちゃんと理解してないってだけで遅れてる気がする!
私はマーケティングを勉強し始めたときに、そんなことを考えていました。
本記事では、今まさにそんな状態のあなたへ、ペルソナとは何か?から始まり、ターゲットとの違い、ペルソナ設定で得られるメリット、ペルソナの設定方法まで、ペルソナについてを徹底解説!
結論から言うと、ユーザーに選ばれ続ける商品やサービスを提供し続けるために、ペルソナ設定は欠かすことのできない課題であり、特に対面で接客を行わないWEBマーケティングの世界では、いかにユーザー心理を理解しているかが肝となるため、知らないと負け確になってしまいます。
これを最後まで読むことで、ユーザー心理への理解を獲得して、負けないマーケティングの基礎を身につけましょう。
ペルソナとは

ペルソナの意味・語源
『ペルソナ』という言葉はもともと、ラテン語で人格や位格を表す「persona」から派生してきた歴史があり、ギリシア劇で使用される「仮面」のことを『ペルソナ』と呼んでいたとも言われています。
20世紀初頭になると、スイスの心理学者ユングは、「人間が状況に合わせて見せる様々な面のこと」を『ペルソナ』と定義しました。
そして本記事でお話しする、WEBマーケティングにおける『ペルソナ』は、ユング心理学の『ペルソナ』から着想を得て、「商品やサービスを提供する際に設定する、典型的なユーザー像」の意味で使われるようになりました。
想像上の人物ではあるものの、実際にその人が存在しているかのように、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、趣味、特技、価値観、家族構成、生い立ち、休日の過ごし方、ライフスタイル…などリアリティのある詳細な情報を設定していきます。
また、英語の「person(パーソン)」もこの「persona」に由来しているそうです。
ペルソナとターゲットとの違い
よく混同されやすい言葉に、ターゲットというマーケティング用語があります。
中には、このターゲットとペルソナを混同して使っている場合が見受けられますが、2つの違いはその深さ・詳細さにあります。
ターゲットよりもペルソナの方が、より深く・詳細に人物設定していくのが特徴です。
ターゲットでは年代や性別など、最低限の情報で構成され、ペルソナほど細かく項目をおくことはありません。
具体例を挙げると、この通りです。
- 30代
- 女性
- 関東在住
- 既婚
- 佐藤あいこ
- 32歳
- 女性
- 専業主婦
- 東京都世田谷区在住
- 37歳夫・6歳息子の三人暮らし
- 手芸が趣味
- インスタグラムで手芸作家さんをフォロー
- オンラインショップ開設を夢見ている
ペルソナ設定がなぜ重要なのか

売り上げに直結する
ペルソナを詳細に設定することで、「それでは間口が狭すぎで誰にもリーチしないのでは?」と疑問を持たれるかもしれません。
しかしペルソナを設定するということは、その一人の満足を引き起こす商品やサービスの開発を目指すことに繋がり、結果的にその周辺に当てはまる多くの顧客の満足度も得られ、それがひいては売り上げに直結していくことになるのです。
趣味嗜好について理解できる
全ての商品・サービスにおいて重要なペルソナですが、WEBマーケティングにおいても必須となります。
例えば、ペルソナによって好まれるサイトデザインが違います。
サイトのテーマカラーや挿入画像、操作性といった部分を、ペルソナに合わせて最適化できるため、よりユーザー視点にたったサービスを作ることができるのです。
チーム間でのコミュニケーションが楽になる
またペルソナ設定は、プロジェクトを複数人のチームで進めていく場合、統一された方向性を共有する意図でも役立ちます。
反対にターゲットしか設定していないと、そのターゲットに対して持つイメージはメンバー間で異なり、円滑な意思疎通の邪魔をします。
例えば
20代女性・美容業・ネイルが趣味
というターゲットから、「活発で休日には友達とショッピングに出かけていそう」という想像をする人もいれば、「好きを極めるために、休日はネイルの資格取得に向けてスクールに通っていそう」と想像する人もいるかもしれません。
しかしペルソナを設定していれば、その人物の背景のすり合わせをすることができ、メンバー間での認識のずれを生じさせず、スムーズにプロジェクトを進めることができます。
ペルソナを設定するメリット

お客様のニーズを明確にすることができる
綿密に組み立てられたペルソナは、架空ではありますが、まるで一人の人格のような役割をします。
このような詳細なプロフィール設定により、そのペルソナが、商品やサービスに対して何を求めているのか、商品やサービスによってどんな未来を手にしたいと思っているのか、が明らかになるのです。
私はペルソナについて本当に理解するまで、「でも、その一人にしか売れないんじゃない?」と疑問を持っていました。
でも実践してみて分かることは、多くを取ろうとして大雑把なターゲット設定だけで集客をしてみると、誰の心にも刺さらない薄っぺらな発信しかできなくなるのです。
圧倒的に支持される商品・サービスを作るには、読者の心にグサグサと刺さるような文章・デザインの選択が必要になります。
的確な選択をするためにも、ペルソナ設定は重要ポイントなのです。
時間やコストの削減に繋がる
ペルソナ設定が明確化されていると、的を絞ったリサーチができ、結果的に精度の高いアプローチが可能となります。
もちろんテストは必要ですが、無駄のない効果的なアプローチが最初からできることで、作業時間やコストの削減が期待できるのも嬉しい効果ですよね。
ペルソナ設定のコツと注意点

思い込みや理想、先入観だけで作成しない
一番やりがちな間違いですが、ペルソナ設定は思い込みや先入観、「こうあって欲しい」という理想の押し付けにならないような注意が必要です。
先入観で設定しないためにも、各種SNSやブログ、お悩み相談掲示板や口コミ、もしくは街頭インタビュー等によって直接の意見を集めるとよいでしょう。
そうすることで客観性のあるペルソナ設定となり、より狙った成果に近づけます。
実在する身近な人物を当てはめてみる
客観性のあるデータをもとにペルソナ設定が完成したら、身近な人でペルソナに近い人物がいないか探してみましょう。
芸能人や有名人のように、誰でも知っているけど自分より遠い人だと、なかなかその生活スタイルを垣間見ることはできません。
できれば家族・知人・友人の中から探して、ペルソナとして参考になるところがないか、観察したりインタビューしたりしてみると、より効果的です。
一度作ったら終わりではなく、定期的に見直しをする
ペルソナは架空であっても、人格のある一人の人間像を作り上げていきます。
私たちの心境が日々変化するように、ペルソナの心境も変わっていきますし、世界の情勢や時代が流れるのと同じように、ペルソナもそれに影響を受けるのです。
また、商品やサービスの内容も不変ではないですよね。
商品の方向性が変われば、ペルソナも再検討が必須です。
このような様々な変化に対応できるよう、定期的にペルソナの見直しをすることをお勧めします。
ペルソナ設定で検討すべき13の要素

では実際にペルソナを設定する時に、検討すべき13の要素を載せておきますので、参考にお使いください。
- 年齢
- 性別
- 居住地域
- 住居情報(持ち家、実家、賃貸など)
- 学歴
- 職業
- 年収
- 家族構成
- 趣味
- よく使うSNS
- 1日の過ごし方・ルーティンスケジュール
- 現在の悩み(製品に関連して100個ほど)
- 悩みを解決して、どんな未来を手に入れたいと思っているのか
ペルソナの設定方法

自分の強みを理解する
まずは発信する人や会社、その商品やサービスの強みを理解しましょう。
何かのプロジェクトをしようと思うと、必ず競合が見つかります。
数ある競合の中で、自分にはどんな差別化ができるのか?マーケティングを仕掛けていくときの立ち位置を見極めるためにも重要です。
ペルソナ設定に必要な情報を集める
次にターゲットを定め、ペルソナ設定のコツと注意点で述べたように、SNS等で情報収集→実在する人物に当てはめてブラッシュアップ、といった手順で情報を集めましょう。
理想や先入観は捨てて、客観性とリアリティのある人物像を作り上げます。
ペルソナ設定で検討すべき要素に落とし込む
そして最後に、検討すべき要素に落とし込んでいきます。
ここでのポイントは、一回で完璧を目指すのではなく、大枠を決めてから肉付けをしていくイメージで行うことです。
一回で完璧を目指そうとすると、具体性が無くなったり、方向性がぶれたり、何らかの問題が出てきやすいです。
そして完成しても、定期的に再検討することもお忘れなく。
おわりに

今の時代、「似ている」商品やサービスが溢れています。
そんな中で、ユーザーに選ばれ続ける商品やサービスを提供し続けるために、ペルソナ設定は欠かすことのできない課題です。
特に対面で接客を行わないWEBマーケティングの世界では、いかにユーザー心理を理解しているかが肝になってきます。
ペルソナ設定は手間のかかる作業ですが、ここを抜かしてはマーケティングの成功はないと言っても過言ではありません。
ぜひあなたも、ペルソナ設定から逃げずに取り組んでみてください^^♩